配食サービスは、高齢者夫婦や一人暮らしの高齢者の見守りとして利用されることも多いです。配食サービスを利用する際は、対象者の身体状況に合わせて食事の内容を選ぶことが大切です。なぜなら食事の内容によっては、かえって身体機能の悪化につながる恐れがあるからです。
食事の内容を選ぶ際、まず気をつけたいのが病気です。配食サービスでは、糖尿病・腎臓病などで医師から制限を受けている方向けに、カロリー制限食・塩分制限食・たんぱく質制限食が用意されています。この時気をつけたいのが、制限食は医師から何らかの制限を受けている方、もしくはその心配がある方向けに作られているということです。もし健康な高齢者がカロリー制限食にしてしまうと、カロリーが不足し、活動性が低下する恐れがあります。また、たんぱく質は身体の組織を構成する大切な要素です。たんぱく質の摂取量が少ないと筋肉量が低下、転倒などのリスクも高まる恐れがあります。もし医師から特に制限されていない場合は、できるだけ普通食を選ぶようにしましょう。
また配食サービスでは、嚥下機能によって食事の形状を変えることができます。例えば噛む力が低下している場合は、食材を刻んだりミキサーにかけることで食べやすくなります。さらに嚥下機能が低下した場合は、舌でつぶせる硬さに加工されたムース食を選ぶこともできます。誤嚥を防ぐためにも、対象者の嚥下機能に合わせた食事の形状を選ぶことが大切になります。